香港集體回憶:日本人カメラマンが写した1958年の香港
現在、KITTE丸の内(JR東京駅の目の前)で「香港ミニチュア展」in 東京2022 が開催されています。
8月7日(日)まで。観覧無料ですので、お時間ある方は是非。
ちなみに私は行っておりません... すみません...。
展示にある香港の「今昔 Old and New」で思い出した、一冊の写真集があります。
それが、こちら。
長野重一写真集《香港追憶 HONGKONG REMINISCENCE 1958》
出版社:蒼穹舍
発行日:2009年1月20日
判型:282×222×15mm(A4変型)
製本:紙クロス上製本(ハードカバー)
頁数:124頁、収録作品 白黒108点
本体価格:3,990円(税込)
限定700部
けたたましい破裂音で眼が醒めた。
そこが、香港島の下町にある銅鑼湾の、安ホテルのうす暗い一室であることに
気がつくまで、しばらく時間がかかった。
破裂音は、裏で誰かが爆竹を鳴らしたらしい。
1958年10月のはじめ、私の外国体験はこうしてはじまった。
この日からひと月半、ほとんど言葉の通じない、人種の坩堝のような
香港の街の中を、野良犬のように黙々と歩き廻った。
(以上、本文ママ)
著者である写真家・長野重一(Shigeichi NAGANO)(1925~)は、
大林宣彦監督作《北京的西瓜(ペキンのすいか)》(1989) の撮影に携わっています。
《北京的西瓜》(1989)
公開日:1989年11月18日
監督:大林宣彦
脚本:石松愛弘
撮影:長野重一
出演:ベンガル、もたいまさこ、林泰文、柄本明
配給:松竹
本作は37秒間(1+9+8+9+6+4=37)の空白が挿入されていることで有名です。
予告篇の冒頭で【この映画は1989年5月~7月に撮影されました。】と、
わざわざおことわりのテロップが流れるのも異様ですね。